ペースメーカー・ICDの身体障害者認定|等級・再認定・診断書の書き方

【デバイス植え込み後の身体障害者認定の変更】

元々はペースメーカーなどのCIEDsを植え込んでいる症例は一律で1級とされていたが、障害認定基準の見直しがH26に行われた。

項目
2014年3月以前
2014年4月以降
PM植込み
原則1級
1・3・4級
ICD植込み
原則1級
1・3・4級
心電図異常
植込みによる認定では必須でない
同左
CTR
植込みによる認定では必須でない
同左
身体活動能力
植込みによる認定では原則問わない
METsで評価
再認定
原則不要
原則3年以内
  • 先天性心疾患により植え込みしたものおよび人工弁移植・弁置換術については従来通り1級

Metsとは

METs(Metabolic Equivalents:代謝当量)**とは、安静時を1としたときに、身体活動でどれくらいのエネルギーを消費するかを示す指標です。

以下のようになります。

METs 身体活動の例
1 MET 安静座位
1.5 METs 座って読書、デスクワーク
2 METs 着替え、ゆっくりした屋内歩行
2.5 METs 軽い家事
3 METs 普通の速度での歩行
4 METs やや速い歩行、軽い庭仕事
5 METs 階段を上る
6 METs 自転車走行(中等度)
7~8 METs 軽いジョギング
10 METs以上 ランニングなど

CIED植込み後の再認定では、身体活動能力をMETsで評価するので以下のようになる。

身体活動能力 等級
2 METs未満 1級
2 METs以上4 METs未満 3級
4 METs以上 4級
  • Mets値については症状の変化がある場合は、より悪いときのものを採用する。
  • 肢体不自由などでMetsの評価ができない場合は心機能の検査所見などで類推するほかない。

【CIED植込み後の身体障害者手帳の認定基準】

① 初回認定(植込み直後)

初回認定では、CIED植込みの適応クラスと身体活動能力によって等級が決定されます。

等級 認定基準
1級 Class I適応で植込み、またはClass II以下の適応で身体活動能力が2 METs未満
3級 Class II以下の適応で身体活動能力が2 METs以上4 METs未満
4級 Class II以下の適応で身体活動能力が4 METs以上

※適応クラスは身体障害認定基準で参照される不整脈非薬物治療ガイドラインに基づき判断します。

② 再認定(原則として植込み後3年以内)

再認定では、植込み時の適応クラスにかかわらず、再認定時点の身体活動能力(METs)によって等級が判定されます。

等級 身体活動能力
1級 2 METs未満
3級 2 METs以上4 METs未満
4級 4 METs以上

【心臓機能障害の認定には大きく2つの考え方がある】

一般的な心臓機能障害
CIED植込みによる心臓機能障害
対象
心不全、虚血性心疾患、弁膜症など
PM、ICD、CRT-P、CRT-Dなど
主な評価
日常生活の制限+客観的検査所見
植込み適応・身体活動能力
心電図
等級判定に使用
原則として直接使用しない
CTR
等級判定に使用
原則として直接使用しない
METs
活動制限の評価に利用
等級判定の中心
等級
1・3・4級
1・3・4級
再認定
病状に応じて判断
原則として植込み後3年以内

デバイス関連の身体障害者認定の際にレントゲン所見や心電図所見は必要ない。

【ポイント】

  • CIEDs植え込み後3年を経過し、新規申請を行われる場合は再認定の基準を用いる。この場合、更なる再認定は必要ない。
  • ICDやCRT-Dの場合は3級や4級になっていても、手帳交付後にICDが作動し、再交付の申請があった場合は1級と認定する。※再交付から3年以内に再認定必要
  • ICDやCRT-D植え込みの場合, 3級や4級になっていても, 手帳交付後にICDが作動し, 再交付の申請があった場合は1級と認定する.
  • 胸部X線所見のところでは植え込み後の略図をきちんと丁寧に記載する必要がある。
  • PAFの徐脈頻脈症候群に対してPMが植え込まれている場合、心房細動が持続化したことによりペースメーカーの機能をきたさなくなっている場合は再認定の際には1級・3級・4級の認定基準のいずれにも該当しないため、一般的な心臓機能障害者における等級基準で再認定する必要がある。
  • CIEDs植え込み後3年を経過し、新規申請を行われる場合は再認定の基準を用いる。この場合, 更なる再認定は必要ない。

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循環器内科医 / 不整脈専門。 カテーテルアブレーションやCIED診療を中心に循環器診療に携わっています。 研修医・医学生・若手の先生が少しでも循環器のことに興味を持ってもらえたら幸いです。