概要
MRA(Mineralocorticoid Receptor Antagonist)は、アルドステロンなどによるミネラルコルチコイド受容体(MR)の活性化を抑制する薬剤。
MRAはどこに作用する?
アルドステロンは副腎皮質から分泌され、
アルドステロン
↓
Mineralocorticoid receptor(MR)
↓
Na再吸収↑
K排泄↑
水分貯留↑
という作用を示します。
MRAはMRを阻害することで、
- Na・水分貯留 ↓
- K排泄 ↓
- 心筋線維化 ↓
- 炎症 ↓
- 心血管リモデリング ↓
などの作用を示します。
ここで重要なのは、MRは腎臓だけに存在しているわけではないということです。
心臓や血管などにおける過剰なMR活性化は、炎症・線維化・心血管リモデリングに関与します。
種類
代表的なMRAには、
| 一般名 | 商品名 | 分類 | 主な国内適応 |
|---|---|---|---|
| スピロノラクトン | アルダクトンⓇ | ステロイド型 | 高血圧、心性浮腫など |
| エプレレノン | セララⓇ | ステロイド型・選択的 | 高血圧、慢性心不全 |
| エサキセレノン | ミネブロⓇ | 非ステロイド型 | 高血圧 |
| フィネレノン | ケレンディアⓇ | 非ステロイド型 | 2型糖尿病合併CKD、慢性心不全 |
があります。
スピロノラクトン アルダクトンⓇ
最も歴史の長いMRA。
国内添付文書では、高血圧症、心性浮腫(うっ血性心不全)、腎性浮腫、肝性浮腫、原発性アルドステロン症などに適応があります。
K製剤内服中でも使用可能。
用量
心不全→1回12.5~25mg 1日1回で開始することが多い。
副作用
アンドロゲン受容体やプロゲステロン受容体にも作用するため、
- 女性化乳房、乳房痛
- 性機能障害
- 月経異常
などの性ホルモン関連副作用が問題になることがあります。
特に男性患者で、「スピロノラクトンを始めてから胸が張る」という場合には薬剤性を考えます。
この場合、よりMR選択性の高いエプレレノンへの変更が選択肢になります。
カンレノ酸カリウム ソルダクトンⓇ
静注可能な抗アルドステロン薬で、スピロノラクトンの静注Verと覚えればOK。
経口投与困難な心不全症例で使用する。
用量
1回200mgを生食20mLに溶解して, 緩徐に(1時間かけて)点滴静注
エプレレノン セララⓇ
エプレレノンは、スピロノラクトンよりMR選択性が高いMRA。
MR選択性が高いため、スピロノラクトンで問題となる女性化乳房などの性ホルモン関連副作用が少ないことが大きな特徴です。
禁忌:腎機能障害(CCr<30mL/min)、K製剤内服中
用量
高血圧症→1回50mg 1日1回で開始、MAX 100mg
慢性心不全→1回25mg 1日1回で開始、4週間以降に50mgに増量可
※中等度腎機能障害(CCr 30~50)→25 mg 2日1回(隔日)で開始、最大25 mg/日
→実際は12.5mg/日とかで使用することもある。
フェネレノン ケレンディアⓇ
非ステロイド型選択的MRAです。
2型糖尿病を合併するCKD、慢性心不全に対して適応がある。
FINEARTS-HF試験でLVEF ≥40%、NYHA II~IVの慢性心不全患者を対象に心血管死+心不全イベントの複合エンドポイントがプラセボと比較して16%低下しました。
→以上の経過からLVEF≧40%の慢性心不全患者に対して良い適応と考えられる。
2型糖尿病を伴うCKDで持続性アルブミン尿の中等度上昇かつeGFR 25~90ml/min/1.73m2、または持続性アルブミン尿の高度上昇かつeGFR 60ml/min/1.73m2以上の患者でフィネレノンによる心不全入院の抑制が示された。
用量
K≧5.5mEq/L→中止
サキセレノン ミネブロⓇ
日本で開発された非ステロイド型選択的MRAです。
降圧作用がMRAの中で一番高い。
適応疾患→高血圧症のみ
用量
まとめ












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