お薬情報

便秘薬

2023-06-24

塩類下剤(浸透圧性下剤)

便中の水分を保持して便形状を軟化させて排便促進に働く.
■酸化マグネシウムⓇ
PPI内服症例だと効果1/2
オススメ→若年者, 安価な薬剤を希望, 妊婦
副作用:腎機能×→高Mg血症
    心機能×→HR↓
用量:酸化マグネシウムⓇ 1回500mg 1日3回食後
併用禁忌:テトラサイクリン系, ニューキノロン系, ビスホスホネート製剤
■マクロゴール(ポリエチレングリコール) モビコールⓇ
適応:慢性便秘症
オススメ→高齢者, 腎機能障害, 心機能障害, 高Mg血症
※成人では他の薬剤で効果不十分な場合に使用すること
用量:モビコールⓇ 1回 LD2包またはHD1包 1日2回

刺激性下剤

腸内細菌や消化管内の酵素により加水分解され活性体となり, 大腸の蠕動運動を亢進し腸管からの水分吸収を抑制する.
刺激性下剤では腹部症状が出現したり, 連用することで依存してしまう可能性があるので, 頓用もしくは短期間の使用に留めること.
禁忌:痙攣性便秘, 腹部手術後
■ピコスルファート ラキソベロンⓇ
用量:ラキソベロンⓇ 1回7.5mg 1日1回, 1回10滴 1日1回
■センノシドA,B プルゼニドⓇ
用量:プルゼニドⓇ 1回24mg 1日1回就寝前(最大48mg)
(坐薬)ビサコジル テレミンソフトⓇ
用量:テレミンソフトⓇ 1回10mg 1日1-2回 挿肛

上皮機能変容薬

小腸上皮にあるtype2Cl-チャネルを活性化することで, 腸管内の腸液の分泌を促進し, 便の水分量を増加することで柔軟化し, 腸管内輸送を高めることで, 排便を促進させる.
■ルビプロストン アミティーザⓇ
適応:慢性便秘症
オススメ:腹部不快感や腹痛を伴う便秘症で, 高齢者(特に男性)
禁忌:妊婦, 器質的腸閉塞
用量:アミティーザⓇ 1回24μg 1日2回 ※Child-Pugh B-Cでは24μg 分1から開始
■リナクロチド リンゼスⓇ
適応:便秘型過敏性腸症候群, 慢性便秘症
オススメ:腹部不快感や腹痛を伴う便秘症で, 中年以降の女性
用量:リンゼスⓇ 1回0.5mg 1日1回食前 症状により0.25mgに減量

糖類下剤(浸透圧性下剤)

高浸透圧になることで水分を便中に引き込み排便促進に働く.
■ラクツロース ラグノスⓇ
オススメ:肝疾患, 甘いのが嫌いでない人
用量:ラグノスⓇ 1回24g 1日2回

坐薬・浣腸薬(直腸刺激性下剤)

直腸内に直接入れて, 蠕動運動を亢進することで排便を促進する.
■炭酸水素ナトリウム・無水リン酸二水素ナトリウム 新レシカルボンⓇ
腸内で炭酸ガスを発生し, 蠕動運動を亢進することにより排便を促進する.
用量:新レシカルボンⓇ 1回2個 挿肛 重症であれば1回3個 挿肛
■グリセリンⓇ
直腸内に注入することで腸管壁から水分を奪取し局所を刺激するとともに便を軟化し排便を促進する.
用量:グリセリンⓇ 1回1個/30mL 直腸内に注入

漢方薬

■大建中湯
腹が冷えて痛み, 腹部膨満感のある人に対して使用する.
腸が動いていないために便秘が多い場合は胃管から排液も多くなり, そういうときに有効である.
用量:大建中湯Ⓡ 1回5mg 1日3回 食前or食間

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