ICDの適応|疾患別Class分類

【ICDの一次予防と二次予防】

植込み型除細動器(ICD:Implantable Cardioverter Defibrillator)は、心室頻拍(VT)や心室細動(VF)による心臓突然死を予防するためのデバイスです。

ICDの適応は、大きく一次予防と二次予防に分けられます。

分類 定義 代表例
一次予防 致死性心室性不整脈の既往はないが、突然死リスクが高い患者へのICD植込み LVEF低下、特定の心筋症、NSVT、原因不明の失神など
二次予防 致死性心室性不整脈を経験した患者に対する再発・突然死予防 VF、持続性VT、心停止からの蘇生例など

【ICD植込み前に確認すること】

ICD適応を判断する際には、不整脈リスクだけでなく、以下を確認します。

  • 致死性心室性不整脈の既往
  • LVEF
  • 心不全の重症度(NYHA分類)
  • GDMTの導入・最適化状況
  • 可逆的原因の有無
  • 併存疾患と生命予後
  • 患者本人の希望

一次予防では一般に、十分な心不全治療を行ったうえで、1年以上の良好な機能的生存が期待できることが重要な判断要素になります。

ただし、遺伝性不整脈疾患などではLVEFに依存しない適応基準があります。

ICD適応を判断する際には、不整脈リスクだけでなく、以下を確認します。

  • 致死性心室性不整脈の既往
  • LVEF
  • 心不全の重症度(NYHA分類)
  • GDMTの導入・最適化状況
  • 可逆的原因の有無
  • 併存疾患と生命予後
  • 患者本人の希望

一次予防では一般に、十分な心不全治療を行ったうえで、1年以上の良好な機能的生存が期待できることが重要な判断要素になります。

【非虚血性心筋症】

(chat GPTで作成)

  • 一次予防の適応で大事なGDMT+LVEF<35%

【冠動脈疾患】

(chat GPTで作成)

  • AMI発症後40日未満、血行再建3か月未満は適応とならない。

→血行再建や薬物治療によりLVEFが改善する可能性などを見極める必要があるため

  • この間の心臓突然死予防のためのブリッジ治療として着用型自動除細動器(WCD:wearable cardioverter defibrillator)が考慮される。

【原因不明の失神】

(chat GPTで作成)

【肥大型心筋症(HCM)】

class Ⅰ

  • 過去に持続性VT、VF、心停止の既往がある症例

class Ⅱa

  • 心原性あるいは原因不明の失神(6か月以内)、左室壁厚30mm 、2014年ESCガイドライン計算式で高リスクのいずれかを認める症例

(計算式→HCM Risk-SCD Calculator)

  • 突然死の家族歴・NSVT・運動中の血圧反応異常のいずれかを認め、他の主要危険因子/修飾因子を有する症例

class Ⅱb

  • 突然死の家族歴・NSVT・運動中の血圧反応異常のいずれかを認め、他の主要危険因子/修飾因子を有さない症例

補足

主要危険因子:持続性VT/VF/心停止の既往、突然死の家族歴、原因不明の失神、NSVT、左室壁厚30mm以上、運動中の血圧反応異常

修飾因子:LVOT狭窄、心臓MRI検査で広い遅延造影、左室心尖部瘤、LVEF<50%(拡張相)

【心サルコイドーシス】

class Ⅰ

  • 心停止の既往もしくは持続性心室頻拍の既往のある患者
  • LVEF≦35%で、NSVTの既往かEPSでVT/VFが誘発された患者

class Ⅱa

  • 最適な薬物治療を行ってもLVEF≦35%
  • 原因不明の失神があり、NSVTの既往かEPSでVT/VFが誘発された患者
  • LVEF<50%かつペースメーカ適応があり、NSVTの既往かEPSでVT/VFが誘発された患者
  • LVEF<50%で、心臓MRIの遅延造影、FDG-PETもしくはGaシンチで陽性、NSVTの既往かEPSでVT/VFが誘発された患者

【不整脈原性右室心筋症(ARVC)】

class Ⅰ

  • 過去に血行動態の不安定な持続性VT、VF、心停止の既往がある症例
  • 重度の右室 or 左室の収縮能低下を有する症例

class Ⅱa

  • 血行動態の安定した持続性VTの既往がある症例
  • 心原性または原因不明の失神に加え、小リスクを有する症例
  • NSVTに加え小リスクを有する症例
  • 中等度の右室 or 左室の収縮能低下を認め、小リスクを有する症例

class Ⅱb

  • 小リスクのみ有する症例

補足

小リスク:若年、男性、デスモゾーム遺伝子異常、EPSでVT/VF誘発、下壁誘導の陰性T波、前胸部V4を超える誘導での陰性T波、PVC>1000beats/day

収縮能低下:高度はRVEF・LVEFともに≦35%、中等度はRVEF 36~40%・LVEF 36~45%

【Brugada症候群】

(chat GPTで作成)

【先天性QT延長症候群】

class Ⅰ

  • VF、心停止の既往がある症例

class Ⅱa

  • TdP or 失神の既往、突然死の家族歴、β遮断薬に対する治療抵抗性の3項目のうち2つ以上満たす場合

class Ⅱb

  • TdP or 失神の既往、突然死の家族歴、β遮断薬に対する治療抵抗性の3項目のうち1つ満たす場合

補足

β遮断薬の有効性は症状と負荷によるQT延長の程度で判断する。LQT3と判断された場合はβ遮断薬は無効となる。

【ERパターン】

class Ⅰ

  • VF、心停止の既往がある症例

class Ⅱb

  • 不整脈原性失神、けいれん、夜間苦悶様呼吸の既往のいずれかがあり、かつ濃厚な若年性心臓突然死家族歴を有する症例
  • 無症候だが高リスク心電図所見を有し、かつ濃厚な若年性心臓突然死の家族歴を有する症例

ERパターンの高リスク心電図

  • 下壁誘導の広範囲な誘導におけるJ点上昇
  • 0,2mVを超えるJ点上昇
  • ST分画がhorizontal or descending
  • 日内変動・日差変動の大きいJ波

【SQTS】

class Ⅰ

  • VF、心停止の既往がある症例

class Ⅱb

  • 心臓突然死の家族歴または不整脈原性失神が疑われる失神の既往を有するSQTS症例(QTC<320ms)

【参考文献】

  • JCS/JHRS 2018年改訂版不整脈非薬物治療ガイドライン
  • JCS 2016年版 心臓サルコイドーシスの診療ガイドライン

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 ※ が付いている欄は必須項目です

ABOUT US
nomomedic
循環器内科医 / 不整脈専門。 カテーテルアブレーションやCIED診療を中心に循環器診療に携わっています。 研修医・医学生・若手の先生が少しでも循環器のことに興味を持ってもらえたら幸いです。