【概要】
アンジオテンシンⅠ→アンジオテンシンⅡへの変換を阻害し, 昇圧系を抑制する.
カリクレイン~キニン系を刺激し, 降圧系を促進する.
末梢血管抵抗, 肺動脈楔入圧, 肺血管抵抗を減少させることでHRおよび心機能を改善する.
慢性心不全に対しては忍容性がある限り増量を試みる.
副作用:血管浮腫, 咳嗽
【心不全による推奨度】
☆HFrEF
禁忌を除くすべての患者に死亡や心不全リスクの低減を目的としてACE阻害薬を投与する(classⅠ).
☆HFmrEF
症候性のHFmrEFに対して心血管死または心不全増悪イベントの抑制を目的としてACE阻害薬の投与を考慮しても良い(classⅡb).
※2025年心不全診療ガイドラインではHFpEFにおいては推奨文はなし.
【種類】
■エナラプリル レニベースⓇ
適応:高血圧症, 慢性心不全
用量:レニベースⓇ 1回5mg 1日1回 10mgまで増量可 ※CKDまたは利尿薬では2.5mgから開始
【Evidence】
☆CONSENSUS試験
うっ血性心不全(NYHA Ⅳ, 心陰影拡大)では6カ月時点で全死亡率の発生率が減少する.
☆SOLVD試験
HFrEF(NYHA Ⅰ~Ⅲ)の症例で全死亡が減少した.
【参考文献】
●JCS 心不全診療ガイドライン(2025)
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